'96 Marlboro Team Roberts YAMAHA YZR500


ノリックのWGP初優勝マシーンである1996年式YZR500を作る。
まずは当時の資料を集めて1/12スケールの図面を描いてみる。この図面を元に作業を進行するので、納得のいくまで時間をかけてラインを描いてみた。

タミヤの99 YZR500キットをベースにスクラッチする予定。
写真資料と図面を参考にしながらどこをどう改造すればいいか考えを巡らす。まあ、ほとんどすべてのパーツを改造しなければならなそうだが・・・

各パーツにポリパテを盛っていく。
まずは大雑把に盛り、大体の形状を削り出す。

フレームにもモリモリ・・・
強度が必要な部分はエポキシパテを使用。

アンダーカウルにもモリモリ。アンダーカウルの後ろ側をパテで延長した。

粗めのヤスリで削りながら大体の形状にしていく。削りすぎたらまたパテを盛り修正する。この行程を納得がいくまで繰り返す。

アッパーカウルとサイドカウルを接着。
形状が整ってきたら、細かいヤスリで細部を整え各パーツ同士が上手く組めるように摺り合わせをする。

アッパー・サイド・アンダーカウルを連結してみた。
図面と照らし合わせてみる。

これらパーツはレジンで複製するつもりなので、アッパーカウル中央部で左右に切断。 切断面にはエッチングノコの厚みにより削られた分のプラ板を貼り、再接着したときに元の寸法になるように調整
また、これでカウルの内側も加工し易くなる。

アンダーカウル前面のエアインテーク部分の形状も修正。
実車ではラジエターの保護のためかメッシュが貼ってある。タミヤの500ガンマキットに付属のメッシュをプラ板に貼り、裏側から貼り付けた。

カウルの裏側をリューターで削り込み薄くしていく。
凸凹の表面がある程度均一になったら、ペーパーでさらに整える。

アンダーカウルも同様に裏側を削り込む。
完成後スリットから見えるであろうサブラジエターも再現してみた。

大体の形が出来上がってきた外装パーツ。

スイングアームは以前93 YZR500用に製作したパーツを改造。
チェーンアジャスターやアクスルシャフト、スタンドフックの部分などは田宮のパーツを流用している。

スイングアームの仮組。

フレームと外装も仮組みしてみる。図面通りの形状に仕上がっているか確認。
まだ数カ所納得のいかない部分があるので、修正を加えていく予定。

ここからエンジン・ラジエター・ラムエアボックス・チャンバーなど内部パーツとの摺り合わせや、ステップ周りやメーター周り、フレームなどの作り込みをしていく。
実はここからが長く苦しい細々とした作業の始まりなのだ。
完成までの道のりは遠い・・・

カウル部分をシリコン型で複製してレジンに置き換えてみる。

ラムエア用のエアボックスの加工。
エンジンから切り離したエアボックスがカウルとピッタリ合うようにパテで成形。

エアボックスと導風板がピチッとカウル内に収まるようになった。

次はステップ周りの制作。96YZR500のステップホルダーは独特の形状をしているので完全に自作しなければならない。
図面と資料を見ながらチマチマとプラ板の積層で制作していく。

ブレーキのフットペダルもプラ板で製作。ブレーキ関係のパーツはタミヤのキットから流用。

ステップホルダーはチャンバーステーも兼ねているので取り付け穴の位置を合わせる。
チャンバーボディー部もタミヤのパーツを切り刻んで96の形状に作り直した。

左側のステップホルダーもプラ板で作製。めんどくさい作業が続く。

左側のステップホルダーは比較的単純な形状。チャンバーステーと一体パーツにしてみた。

シフトペダルとギヤのリンク部分をプラ板・プラ棒・真鍮線等で自作。

ステップ周りのパーツはレジンで複製しやすいように別パーツで肉厚を厚めに作ってある。複製後削り込んで薄くする予定。
その前にこの細かいパーツが上手く抜けるかが心配。

シートカウル内部をリューターで削り、チャンバー用のスペースを確保。 チャンバーボディー部品はタミヤのパーツを流用。数カ所で切り離した後再接着してシートカウルに上手く収まるように作り直してある。

シートラバーもプラ板・エポパテ等で製作。
シートカウルは更にパテ盛ったり削ったりを繰り返し納得のいくフォルムになったので、モールドなどを追加した。この後細部を仕上げる。

メーター周りはプラ板の積層でベースを作り、メーターのスポンジ部分を改造した自作パーツを取り付けた。
YPVSサーボやCDI(?)などはタミヤのパーツを流用。

フレームやスイングアームに溶接跡を追加。

'96 YZR500はサイドカウルからラジエータホースが丸見えになるので、ここも自作しなければならない。
プラ棒を熱しながら曲げてカウルに合わせる。

ラジエターはタミヤのパーツを左右切り取り幅を狭くして、左右にプラ板で自作したフタを取り付ける。
ラジエターホースをカウルの内側に取り付けられるようにベースも製作。

RフェンダーはS27の1991 YZR500トランスキットのパーツをベースにしてパテ盛り&削りで96形状に改造。 チェーンパーツもスプロケットの部分を93用に改造した自作パーツを使用。

再度パーツを仮組してみて最終チェック。

プロポーションに関してはこれで最終確認オッケーかな?

'96を製作するために作ったパーツ数はザッと見てもこれだけに・・・

これら原型パーツを元にシリコン型を製作。この型を作る作業ってメンドーで嫌いです。
全てのパーツ用の型を作るのに、かなりの量のシリコンが必要。シリコン代もバカにならん・・・(涙)

レジンに置き換えたパーツ達。
この複製パーツのパーティングラインを消したり気泡を埋めたりして下地処理をする。

今回はS27の「'01 YZR500用ディテールアップパーツ」から、96に使えそうな部品を流用する。

左右ステップ周りのパーツも摺り合わせながら取り付けていく。

イグニッションコイルも仮組。

スイングアームとメインフレームをドッキングさせ、チャンバーも組み付ける。

カウルを取り付ける。

アッパーカウルステーは真ちゅうパイプで製作。
スクリーンはタミヤのパーツをそのまま流用。

ガソリンタンクのフック部分をプラ板で自作。
タンク上部のブリーザーパイプ用の突起もプラ棒で追加した。

ブレーキキャリパーは裏側を自作した。

レジンパーツの仮組完了!
原型で摺り合わせをしつこいほどやったので、仮組は比較的スムーズに進んだ。

お次は塗装だ。

サーフェーサーで下地処理後、ホワイトで塗装。

蛍光レッドの塗り分けをして、自作デカールを貼っていく。

マルボロマークもマスキングして塗装。

研ぎ出ししながら全体をクリヤーでコート。
一週間ほど乾燥させたらコンパウンドで磨く予定。

カーボン地むき出しパーツにはS27のカーボンパターンデカールを貼る。数あるカーボンデカールの中でもS27のモノが一番貼り易い。

チャンバーはいつものように焼け跡を塗装。

スイングアーム周りの組み立て。リヤブレーキキャリパーをエッチングのステーにピン留めするのに苦労した。
タイヤの「MICHELIN」旧タイプロゴは、田宮の「86 NSR500」キットのマークを流用。このタイヤマークは今でもタミヤのカスタマサービスで注文できる。

イグニッションコイルやメーター周りなどをメインフレームに取り付ける。
各部にパイピングも施した。

前後ホイールと合体させ、ネイキッド状態完成!

研ぎ出しの終わったカウルを取り付ける。 カウルに取り付けた虫ピンは目立てヤスリでマイナスねじにしてある。

タンクを乗せて、クリヤーチューブでブリーザーパイプも再現。

シート&シート下のチャンバーの取り付け。仮組をしつこくやったので、ピッタリ組み上がった。

今回はメーター周りのパイピングにも凝ってみた。ハンドル周り、排気バルブのサーボモーターやCDIボックスなどからニョキニョキとワイヤーを這わせてある。カウルを付けるとほとんど見えなくなってしまったが・・・(涙)
グリップには細い針金でワイヤリングを施した。

クリヤーブルーを吹いたスクリーンを取り付けてバイク完成〜!!

この車体に合わせて96バージョンのノリックメットも製作開始。
レジンの削り出しで作った帽体をシリコン型で複製。

このメットパーツに合わせてデカールを作るのだが、この白と青のチェッカーパターンを立体的にデザインするのが非常に難しい・・・


何度も試し貼りを繰り返し、なんとか形になってきたかな?

ホワイトで塗装したら苦労して仕上げたデカールを貼り、上からクリヤーでコーティング。
透明プラ板から切り出したスクリーンとポリ袋から切り出した捨てシールドを付けた。

でなわけで完成〜!
やっぱ、このマルボロYZR500が歴代のノリック号の中で一番好きだな〜!

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