私がWGP史上最も好きなライダー、ウェイン・レイニーが1989年に駆ったYZR500の製作を開始する。
1980年代後半と言えばガードナー、ローソン、マモラ、サロン、レイニー、マギー、シュワンツなどのトップライダーが群雄割拠し、非常に面白かったシーズンが続いた。1989年型のYZR500はまだGP500デビュー2年目のレイニーが、チャンプまであと少しというところでランキング2位に終わった車体である。
まずは資料集めからスタート。
89モデルは前年にローソンがチャンプを獲った88モデルと外観上の違いがほとんど無いので、88&89のYZR500の資料をかき集める。
実は数年前から色々資料は探していたのだが、さすがに16年も前のマシーンなので資料集めは難航していた。少しずつ古本屋などで当時の書籍を揃えていたら、大日本絵画から80年代のYZR500を特集したレーサーズアーカイヴが発売された。これで一気に資料が充実。
さらにUTAさんからも数多くの画像を頂いた。
モデラー視点で撮影された数々の写真はとても助かりました。UTAさん有り難うございます〜。
まずはいつものように1/12スケールの図面を準備して、それに合わせてフレーム周りから製作開始。
シートカウル内に収まるサブフレーム部分はカウルを取り付けると見えなくなるので、組み立てを優先してシンプルかつコンパクトに作った。
エンジンとリヤサスを作る。カウルを外さない固定モデルを作る予定なので、完成後に見えなくなる部分はバッサリカットした。
エンジンとスイングアームを取り付ける。今回はアツGさんの04ZX-RRトランスキットを見習って、各パーツ同士の位置決めを簡単に出来るように、凸凹をはめ込むだけで簡単に組み上げられるようなパーツ構成にしてみた。
お次はタンク。
80年代のYZR500のタンクは幅が狭いスリムな形状をしている。
特徴的な形をしたシートカウル。以前96 YZR500で作ったシートパーツを芯にした(強引?(笑))
面での構成が多いので、プラ板を組んで大体の形状を出す。
でもって、パテ盛り&削りでこんな感じになった。
93 YZR500のパーツをベースにパテ盛り&削りでアッパー&アンダーカウルも大体の形状を出し、一度仮組をしてみた。
ホイールは前に93用に作ったマルケジーニ3本スポークホイールを改造して使用。
う〜む、なんだかズングリしているな・・・
メインのカウルのベースパーツをシリコンで型取りして、強度確保のため一度レジンパーツに置き換える。
細かいところをパテ盛り&削りで再現していく。80年代中〜後半のYZR500のサイドカウルには、ラジエター用の(?)バカでかいエアインテークがあり複雑な二重構造になっている。今回も各パーツをレジン複製する予定なので、この部分は別パーツにした(一体モノにすると、シリコン型で抜くことが出来なってしまうので)。
もう一つこのバイクで頭を悩ませるのが、アッパーカウルと別体パーツになっているナックルガード。実車では非常に薄いパーツなので、バキュームフォームでパーツを作ることも考えたが、とりあえずプラ版&パテで作ってみる。これらカウリング関係のパーツは複製を見越してある程度の厚みを持たせた。複製したパーツを削り込んで薄くしていく予定。
アンダーカウル全面にあるダクト。メッシュを埋め込んで、上からパテで整形してある。
アッパーカウルの下側に伸びる導風板(?)もプラ板で作る。
お次はチャンバー。カウル内にキチっと収まるように摺り合わせながら製作。
カウルで隠れる部分はこのようにハメ合わせるようになっている。調整無しでチャンバーの位置がバチッと簡単に出せるよう立体パズルのようなハメ込み式にした。
シートカウル内のチャンバーもピチッとハマるように作った。
模型の場合、実車以上にカウル自体の厚みがあるのと、特に今回は複製を意識して肉厚に作ってあるので、実車のチャンバー形状と若干変わってしまった。ま、完成後はほとんど見えないのでよしとしよう。
次にフロント周りを作る。1980年代末頃はフロントの足周りの技術革新が進み、それまでの正立サスペンション+鋳鉄ディスクブレーキから、倒立サスやカーボンディスクブレーキへなどがGPマシーンに取り付けられはじめた。
なにせ細かいパーツなので、図面を描いてチマチマと作り始める。
この頃のYZR500はチームごとにブレーキシステムが違っており、特にチームロバーツは色々なトライをしていたようで、レースごとにキャリパーやブレーキシステム、フロントフェンダー形状などが違っていた。
倒立サスのアウターチューブも作り、フロントフォーク完成。
ブレーキディスクはケンジローさんが過去に作っていたモノを頂いた。さすがケンジローさん、この頃のYZR500に使われていたディスクのフローティング内側の形状やオフセット量など、微妙な部分までしっかりと再現されている。
ケンジローさん有り難うございます!!!!
フロント周りを組んでみる。三つ叉やトップブリッジも造らなければ・・・
バキュームで作る予定のスクリーンの原型。そのまま付けても、カウルを薄く削ってから付けても大丈夫なように一回り大きく作ってみた。
ここまで作ったパーツを組んでみる。89っぽく見えるようになってきたかな?
ここ一ヶ月、睡眠時間を削って毎晩コツコツ仕上げてきた苦労が報われる瞬間(嬉)
横から。ちょっとスクリーンが立ちすぎ?
この仮組状態を何度も資料と見比べチェックすると、アチコチに修正が必要な箇所を発見・・・(涙)
ここから最終的な形状出しと、細かいパーツの作製が始まる・・・まだまだ先は長い。
フレームの細部を仕上げていく。溶接跡を追加。
ラジエターもプラ板でベースを作る。
今時のラウンドラジエーターではなく、真っ平らな3面構成のラジエター。
コアの部分はジャンクパーツをレジンで複製。コアの部分だけ貼り付けた。
カウルに隙間なくピッタリとハメ合わせられるように作ると、左右のカウルパーツ接着後に後ハメできなくなってしまうので2ピースに分割にした。
3面構成のラジエターなので、塗装後に組んでも合わせ目が目立たない!
複製のためにフロントフェンダーも2分割。
フロント周りのパーツの最終チェック。
オーリンズ倒立サス+ロッキードの新型削り出しブレーキキャリパー+鋳鉄ディスク+キャリパーサポートの構成。
チェーン&スプロケも作る。
ジャンクパーツの流用や、プラ板・プラ棒、真鍮線等を使って、チマチマ細かいパーツを作っていく。めんどくさ〜(笑)
再び仮組。
組み立て易いように各主要パーツは全て凸凹をハメ合わせるだけで組みあがっていくようにした。
ナックルガードとサイドカウルの形状を変更などをして、ほぼ図面通りの形状に仕上がった。
仮組みしたバイクをいろいろな角度からチェックする。コレで良いような気もするし、なんか違う気もする。実際塗装してみないとイメージ湧かないんだよな〜。どこかで区切りをつけないと、永遠に完成しなそう(笑)
原型パーツを並べてみる。全50パーツ。ずいぶん数が増えたな〜。レジンパーツの複製にめちゃコストがかかりそう・・・(汗)
そして業者さんでレジンで複製したパーツが到着。
メインカウルは薄く大きいせいか若干歪みがあったのでお湯につけて修正した。
早速、各パーツを洗浄して組み上げていく。
大きな修正箇所も無く、スイスイ組みあがる。
フロント周り。ブレーキキャリパーのバンジョーボルトまでオールレジンパーツっす!
仮組完了!
ストレートに組むと、なんだか尻下がりに見えたので、数mmテールカウルをカチ上げてみた。
実車の感じだとそのまま組んだ方が正確なのだろうが、図面よりも若干尻上がりにした方が模型的に見栄えが良いようだ。これは個人の好みもあるのでなんとも言えないが・・・
左側!ほぼオールレジンなので結構軽い。
さ〜、塗るぞ〜!!
サーフェーサーを吹いて合わせ目や気泡のチェック後ベースホワイトを塗装。後々の塗装面に影響が出るので、この時点で表面処理をキチンとやっておく。
大幅に納期が遅れていた業者発注のシルクスクリーンデカールがやっと到着。WFまではあと8日しかない。速攻で作業を進める。
ホワイトを塗装後、デカールのレッドに合わせた明るめのレッドを調合して塗装する。
調合した赤はタミヤのTS-49をベースにTS-47とTS-31を混ぜ、TS-26を少々入れた。混合率は・・・忘れた(笑)
デカールを貼っていく。今回作ったシルクスクリーン印刷のデカールは伸びが良く曲面にもうまく馴染む。このデカールは下地色の隠蔽力も高く、薄い上にコシがありカルト並に貼り易い!そんなわけでタンクやシートカウルの赤い部分もデカールで再現できた。
いつものようにデカールの上からクリアー塗装。デカールはクリヤー塗料にも強く全く問題なかったのだが、なぜかアッパーカウルの赤く塗装した部分がうっすらと白濁してしまった。カブリではないと思うのだが、調合したカラーと相性が悪かった?
塗り直している時間はないので、筆塗りでタッチアップ・・・(涙)
ナックルガードをピンで留める。組んでから気付いたのだがデカール位置がちょっとズレてた(笑)言われないと分からないレベルではあるが。
時間の無い中で焦って作業するとろくな事がないな・・・
フロントフォークもクレオスのメタリックカラーで塗装。アウターチューブのゴールドはエナメルのクリヤーイエローで上塗り、インナーチューブはいつもの通りメタリックシール。
チャンバーも塗装。ちょっと派手になりすぎたかな?80年代後半のチャンバー特有の焼けが上手く出せなかった。今回はこれで妥協。
メインフレームもクレオスのメタリックカラーで塗装。ちょっとキラキラ過ぎ?
チャンバーはこんな感じで車体に付ける。ピタッと取り付け可能で調整いらず。
ラジエターをカウル内に組み付ける。89YZR500の大きな特徴とも言える大きなエアスクープ。そこから覗くラジエター・・・う〜ん、良いカンジ(悦)
リヤサス+スイングアームを取り付ける。
ステップ周りも組んでいく。
タンクを取り付け。
ホイールにも赤いラインデカールを貼る。
アッパーカウルステーは真鍮パイプで製作。実車と同じように脱着可能になっている。
フロントブレーキ周りの細かいパーツを組み上げる。
最後にスクリーンを虫ピンで留める。
タミヤOW-01とTZ250Mのキット付属パーツを使用して専用スタンドを作ってみた。
そして完成〜!!!レイニー・シュワンツ・ローソンの熱い89シーズンが蘇る!(笑)
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