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2020 YAMAHA YZR-M1 #46
2020年バージョンのYZR M1を作る。カラーリングは2019年版とほぼ同じ。
コロナウィルスの影響で開幕が大幅に遅れ、シーズンスタート前にロッシがワークスを外れ・・・結果、これがロッシの最後のワークスマシーンになることに。
モーターショーや日本GPがキャンセルになり、実車を見ることができず、原型製作が遅れていたが、ヤマハコミュニケーションプラザのロッシの引退記念イベントで2020年モデルの実車が展示されたので、静岡まで行って取材をしてきた。
この手の展示車両はカラーリングだけ変えられて、中身は別の古い年の車体だったりすることも多いが、この展示車両はフレームも外装もしっかり2020年モデルだった。ネットにある写真だけでは分からなかった箇所を念入りに確認(笑)
2019年からカラーリングがほとんど変わっていないので、変化が小さいように見えるが、2020年モデルは前年から、アッパーカウル形状、シートカウル形状、メインフレームなどにパッと見てわかるくらいの大きな変更が施されている。
ワークス仕様はロッシ、ビニャーレス、クワタラローの3台。
特にシートカウル形状が大きく変わっている。ガソリンタンクが更に下に配置されるような形状に。
モルビデリだけ前年の2019年型から変更なしで、アッパーカウルのエアーインテークが大きいタイプ。ただし、ナックルガードが追加されている。
そしてサテライトチームのペトロナスヤマハのみホイールに変更があり、OZホイールを採用。ワークスもサテライトもホイールのカラーがブラックなので、同じに見えるが、リムの肉抜き加工やスポーク形状など全然違う。新しく原型を作成した。
毎年変わるフレーム形状もYAMAHAの試行錯誤の現れか?
細かいパーツも準備。組み立て易さを考慮して、原型も細かく改良してみた。
リヤフェンダーは前年同様、クワタラローだけスリット穴が開いてないタイプを好んで使用していた。クワタラロー以外の3人のライダーはリヤタイヤの放熱のため(?)スリット穴開きタイプを選択。クラッチもライダーごとに使用するタイプが異なっている。
レジン複製業者さんからパーツが上がってきたので、洗浄して仮組スタート。細かいパーツが多いので、紛失注意!
サーフェーサーで下地処理をしてから組み上げる。レジンキットは仮組が大切。
フロントサスはタミヤの09 M1キットパーツを流用しても組み上げられます。
また、前後アクスルシャフト部とスイングアームのピボットシャフト部は基本的にはタミヤのキット同様ネジで組み上げられるように原型を作っているが、作例ではピンバイスで穴を広げ、φ2の真鍮パイプに置き換えてます。
レジン複製のため肉厚に作っているフロントフェンダーとフロントタイヤのクリアランスがタイトなので、内側をチョット削った方が良いです。
放熱フィンがある新型のブレンボキャリパー。
リヤサスリンク周りの位置決めがし易いように改良してある。
クラッチはロッシだけEXCDYで、他のライダーは別のYAMAHA純正(?)タイプを採用していた。
2019年と比較して更にスリムになったテールカウル。
内部にあるガソリンタンクの形状や搭載位置が大きく変わったようで、シートカウル下部の形状もそれに合わせて結構変わっている。
タミヤの09 M1インジェクションキットの入手が困難になっているので、今回のトランスキットは、ほぼ全てのパーツを準備してます。
レジンパーツ総数72点。なんだかんだと全ての原型製作には1年以上かかっちゃいました・・・(汗)
マフラーやマフラーカバー、ステップ周りのパーツも、組立易いように改良。ビシッと位置が決まります!
フロントの外装関係。ヤマハのウィング小ぶりで好きだな〜。2022年モデルはかなりデカくなっちゃったけど・・・
カウルは摺り合わせをしながら車体似合わせて取り付ける。
(虫ピンを使用して固定した方がシッカリ留まります)
2020年モデルの仮組完了。
この年以降のM1はアッパーカウルのナックル部が左右に広がっているのが特徴。
前から。
後ろから。
ついでにファビオ・クワッタラローのマシーン用パーツでも借り組みしてみる。
サテライトのPETRONASチームは、ワークスとは違い、近年勢いのあるOZホイールを使用していた。
ヤマハのライダー達はクラッチの仕様も様々、ファビオとフランコは同じタイプのクラッチを使用していたよう。
ファビオはリヤフェンダーも穴が開いていないタイプを使用。
シートの追加スポンジ形状も各ライダーで様々。ロッシこの追加スポンジを使用したことは無いと思う(最終年の2022年後半を除く)
アッパーカウルとサイドカウルをシッカリ留めるために、この箇所にもピンを刺してみた。
ワークス仕様だったファビオのマシーン、仮組完了。
フランコはサテライトの型落ち仕様だったので、2019年バージョンがベースになっている。
この年もファビオは活躍し、翌年ロッシに代わってワークス昇格、チャンピオンに輝く。
このOZホイール、翌年にはワークスも採用。リムにある肉抜き加工がカッコイイ。
バラして、塗装開始。
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