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'02 Repsol Honda (1/9) ITALERI
イタリアの模型メーカーPROTARがITALERIと合併し「ITALERI」ブランドで1/9スケールの'02 RC211Vインジェクションキットを発売した。遠い昔プロターの1/9 '88 YZR500を作ったことがあるが、プロポーション・パーツの精度・組み易さ、どれをとってもタミヤ製品には遠く及ばず、組立に苦労した記憶がある。
外国製のプラモ全般に言えることかもしれないが、当時の私自身の組み立て技術の未熟さを差し引いてもキットの出来には不満が残る物だった。まあ技術力がある人がしっかり手を入れて仕上げれば素晴らしい出来になるとは思うが、ストレス無く誰でも完成させられるという代物でなかったことは間違いない。
最近のプロターキットは作ったことがないので現在は改善されているかもしれない。イタレリとの合併が好影響を与え、製品の出来が向上していることを祈りつつ、このキットの製作をスタート。
まずはキットをチェックしてみる。1/9スケール、箱もデカイ。
デカールは嬉しいことにカルトグラフ製。発色も良くプリントもシャープで貼りやすそうだ。オレンジがちょっと暗いのと、赤い部分が蛍光色すぎるのが気になるが。
ちなみに箱の横に印刷されている完成写真、いきなりレプソルカラーの塗り分けが間違っている(笑)説明書も信用しすぎないように気を付けなければ・・・
まずは仮組のため、主要パーツをランナーから切り出す。
パーツはモールドもシャープでしっかりしている。一体化されているパーツが多く、全体のパーツ点数がスケールの割には少ないように感じた。
エレールのYZR-M1やRC211Vはひどかったが、それと比べれば格段に良くできていると言えるのではないだろうか。
キッチンハイターに漬けてメッキパーツのメッキを剥がした。
パーツ同士の合いも良く、仮組はサクサクと進む。
前後サスペンションが可動するギミック付き。個人的には動かなくても良いんだけど・・・ミニチャンプスの完成品もサス動いてたな。外人はギミック好き?(笑)
タミヤの1/12キットと比べてみると大きいな〜。
とりあえず全体のプロポーションはなかなか良いのでは?しかし細部まで見ていくとちょっとおかしい箇所もチラホラ・・・
1/9なので、細部までディテールアップして仕上げていくか、サラッと素組みで仕上げるか、悩むところである。
とりあえず、いつものようにカウルのボルトはピンバイスで穴あけして、虫ピンや精密ボルト等に置き換える。
オンボードカメラの穴を開口。カウルと一体パーツになっているラムエアの導風板を切り離し、プラバンで作り直した。
アッパーカウルもフレームに取付が出来るようにカウル裏側を加工した。
アッパーカウルステーにマウントされているアンテナ(?)もプラ板&プラ棒で自作。
タンクカバーはよくよく見てみると、全体的にノッペリしていて形状がおかしい。左右にあるエラ部分にパテを盛ってメリハリを付けた。
その他カウルの各部をパテで修正。実車には存在しないサイドカウルにある謎のモールドもパテで埋めた。
ハンドル周りのパーツはトップブリッジからハンドルまで一体になっていたが、一度エッチングノコでバラバラに切り離す。レバーの取付角度がおかしいのか、仮組でハンドルとアッパーカウルが当たっていたので、ハンドルの取付角度を修正した。
左ハンドルにあるブレーキ調整用ダイアルもプラ板、プラ棒で作った。
スイングアームの裏側をプラ板で塞ぎ、溶接跡をパテで追加。チェーンのアジャスターはくり抜いてディテールアップ。レーシングスタンドのフックをかけるボルトは真鍮パイプに置き換えた。スイングアームと一体パーツだったチェーンガードは切り離して、塗装後に取り付けられるようにした。
シート下の燃料タンクにも溶接跡のモールドを追加。リヤのブレーキディスク板は側面に穴空け加工。
タミヤの1/12キットでも省略されていた右ステップ裏側にあるカーボン製の断熱板をプラバンにて自作する。
結構目立つ部品だと思うのだが、なんでパーツ化してくれなかったんだろう?
こんな感じ。フレームにピン留め出来るようにしてある。
いよいよカウルの塗装開始。タミヤのレプソルRC211Vを作ったときと同様、デカールを先に貼り、クリヤーでコーティングしてからマスキングする方法にした。
貼ってみて気付いたのだが、テールカウル下のデカール、なんかパーツの形状と合っていない・・・というよりテールカウルの形状がチョット変(笑)使用しないサイドカウル用のオレンジデカールを切り張りしながら、なんとかオレンジのラインを貼ってみた。
次はレッド部分を塗装。
その次はオレンジの部分。
最後に塗るディープメタリックブルーが下地色の影響を受けないように、ブルーに塗る箇所もしっかりマスキングする。
最後はタミヤの缶スプレー「ディープメタリックブルー」を瓶に取り出しエアブラシで塗装。
手間かかるのでレプソルカラーは嫌い!(笑)
数日乾燥させた後デカールを貼る。
気になったのが「Blue Jeans GAS」のマークが付属のデカールでは白の文字抜きになっていた事。このマークはアンダーカウルのモノを除いて、カウルのメタリックブルーとは違う青ベースのステッカーのハズ。
青に塗ったデカールを切り出して「Blue Jeans GAS」デカールの下に貼るようにした。
その他のデカールをペタペタ貼っていく。キット付属のカルトデカール、さすがに貼りやすい。カルトグラフってすごいな〜。国産で同レベルのデカールって作れないんだろうか?
ガソリンタンクカバーの黒い羽模様とアンダーカウルの黒い部分用のデカールは何故かブラックのベタデカールで再現するようになっているので、キットのデカールは使用せずS27のカーボンデカールを使用した。
カーボンパーツはメッシュを使ってカーボン風塗装。
シート下のカウルはキット付属のデカールを貼ってみた。サイドカバーとの違いを出すためにシートカウルの方にはスモークを吹き付けてある。
1/9というスケールなので、ハンドル周りに多少手を入れてみた。
キルスイッチやBremboマークは自作デカールで再現。
ブレーキ・クラッチの別体タンクにはパテでバンドを再現。ブレーキ調節用のダイヤルなどもプラバン&プラ棒で追加してある。
マフラーも塗装。エンドパイプは削り込み薄肉化、連結用のスプリングも追加してある
エキパイに焼け風塗装、サイレンサーには付属のカーボンデカールを貼った。ちなみにテールカウルに収まる方のカーボンサイレンサー用のデカール、リベットの位置が間違っていた。メーターパネルのデカールも大きさ全然合わなかったし、間違い多いな〜、このキット・・・(笑)一つずつ修正しながら作っていく。
エンジンの組み立て。このキットのパーツ全体的に言えることだが、メカ部品のエッジがとてもシャープで好感が持てる。モールドのシャープさではタミヤより上では?
タイヤデカールはタミヤのように転写式のものではなく、通常のカルトデカールになっている。
ホイールのラインデカールは貼るのが面倒くさい(笑)
アッパーカウルの裏側にはスタジオ27のケプラーパターンのデカールを張り込み、実車同様カーボンケプラー地が露出するようにした。
実車のカーボン地より明るすぎるかな?
そこでスモークを吹いて色調を調節してみた・・・・が、今度は暗くなりすぎてしまった。よ〜く見ないとわからない・・・(涙)
細かいパーツを塗装後、組み上げ開始。
Rフェンダーはピン留め。チェーンはエッチングノコでモールドを追加してある。
タミヤキットと比べるとパーツの合いが悪く、組立にはちょっと気を使う。
シート・テール部のパーツの組み付け。
テールカウルの組立だが、キットの説明書ではマフラーを内部接着後に上下カウル部品を接着することになっていたが、これではサイレンサーとカウルを別々に塗装できない。なんとか塗装後にサイレンサーパーツを差し込んだ。
カウル等のビスモールドは全て精密マイナスネジに置き換えてある。コレが馬鹿にならん出費になった・・・(涙)
自作のオンボードカメラ用アンテナもバッチリ!
そんなこんなで、完成!
タミヤの1/12と並べてみる。イタレリRC211Vもなかなか良いぞ!
今回初めてプロター・イタレリのキットを作ってみたが、思ったよりも良くできたキットで楽しく作ることができた。
これからのイタレリの製品に注目していきたい。出来れば1/12スケールを出してほしい。M1とかドカとか。
1/9は大きすぎて置き場所が・・・
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