'02 Repsol Honda & Team Fortuna Honda Gresini RC211V


Moto-GP元年に圧倒的な強さでチャンピオンを獲得したホンダRC211Vのインジェクションキットが、タミヤから発売された。流石タミヤ、キットはさらに進化を遂げ、薄々カウルなどのパーツのハメ合いもピッタリ。

ミュージアムコレクションのデカールを使ってロッシのレプソル号と加藤のFortuna号を製作する。一応加藤の車体はシーズン後半、彼がNSR500からRC211Vに乗り換え、いきなり表彰台を獲得したチェコGP仕様を再現する予定。このチェコGP仕様はRC211V前期タイプらしく、アッパーカウル両脇のエアダクト(?)などの修正は必要ない。この次のレースから加藤号はカウル形状も後期型に変わり、サイドカウルの「Fortuna」マークも横向きになっているようだ。


2002年に最も注目されたマシーンだけあって、各雑誌で特集記事が組まれており、ロッシのマシーンは資料をいろいろ揃えられたが、加藤の車体の資料がほとんど見あたらない・・・資料探しに苦労しました。

まずはメッキパーツのメッキはがし。
タミヤとしては親切心でフレームなどにメッキをかけてくれているのだろうが、実車のアルミフレームとは明らかに質感が違う。

キッチンハイターに浸けてメッキを溶かした。

タミヤは今回もステップバーのモールドを省略していた。しょうがないので、リューターとエッチングノコで加工する。めんどくさい (ToT)
タミヤの昔のキットはステップバーのモールドがあったのに、何で最新のキットで省略してしまうのだろうか???

サイドカウルの内側に取り付ける導風板(?)にピンバイスで穴あけ加工。

いままでGPマシーンではチャンバーを作っていたのだが、RC211Vは4stなのでマフラーになる。なんだか変な感じ(笑)
サイレンサーとエキパイの接合部にフックとスプリングを追加。

RC211Vはライダーに応じてタンクカバーを何種類かの長さの違うモノに選択できるらしい。このキットのタンクは長身ロッシ用みたいなので、加藤用の短いタンクカバーが必要となる・・・ハズ。
ノコでタンクカバーをブッた切り!幅詰めをしてパテで成型する。

加藤号のタンクを横から写した資料が見つからなかったので、宇川の車体写真を参考にした。

キット付属のレーシングスタンドは本物とずいぶん違う。本来カーボン製のパネル二枚を合わせた形状だが、キットは簡略化しすぎ。コストとの兼ね合いもあるのだろうが、これは非常に残念。

しょうがないので作り直す。まずはノコで各パーツをバラバラに。

プラ板を切り出してプレートを二枚作る。バラバラの部品を塗装後組み上げる予定。

ホイールラインはMコレのデカールを使用。下地色の隠蔽力が高く、キット付属のデカールよりも美しい仕上がりになる。

レプソルカウルの塗装開始。
デカールの「先貼り」で塗り分ける。

ますはデカールを貼り、上からクリヤーでコートして、マスキングしてもデカールが剥がれないようにする。

テールカウルマスキングの図。
説明書の指定通り「ディープメタリックブルー」で塗装した。このブルーは濃い色なので下地色の隠蔽力が高いと思っていたが、思いっきり下地色の影響を受ける。下地が白以外だと、ものすごく濃くなるので注意が必要だ。

白ベース→デカール→クリヤー→赤→黒→青→オレンジの順で塗る。
各カラー塗装毎にマスキング・・・・ふぅ〜


次に加藤号の塗装。
まずは蛍光オレンジとシルバーを塗り分ける。


乾燥後、デカールを貼ろうと資料を再確認していたところ、また間違いを見つけてしまった・・・(涙)シートカウルの形状が全然違う〜!!!

加藤のRC211Vは小柄な彼用にバックレストの部分が肉厚になっている。
しょうがないので修正。塗装前にしっかり確認すればいいのに、いつも後から気付く・・・アホです(汗)

Mコレのデカールを再度確認したところ気付いたのだが、サイドカウルとガソリンタンクカバーの繋ぎ目にある3色ラインデカールが入っていないではないか!

Mコレさん頼みますよ〜・・・(ToT)
このデカールセット、本来ガンメタの部分もただのブラックだし・・・

ここの部分がしっかり確認できる写真がなかったので、どのようにラインが入っているか不確かなのだが、手持ちの資料を見まくって、こんな感じのラインデカールを自作してみた。

Mコレのデカールは下地色の隠蔽力が非常に高いのだが、やはり蛍光色の上に貼りクリヤー塗装すると、下地色が滲んでくるので、ニジミ防止用に白デカールを作った。
またMコレデカールの各種「Fortuna」ロゴは、文字抜きではなく蛍光レッドのベースもプリントされているので、蛍光色の部分に貼ると今回自分で調合した蛍光オレンジと色味の違いが出てしまう。蛍光色の部分に貼る各種スポンサーロゴは、Mコレデカールを使わずに文字抜き自作デカールを使用した。
アッパーカウルのゼッケンも小さいような気がしたので、自作デカールを製作。ゼッケン「74」の「4」の中にある星マークのみをMコレデカールから切り抜いて使用する。

ニジミ防止用自作白デカールを貼った後、クリヤーを一度吹いて大丈夫か確認して、デカールを貼っていく。
凸凹のアンダーカウル部分にデカールを貼る。Mコレさんのデカールはよく伸びるので、丁寧に作業すればそれほど難しくない。

タンクの黒い羽デカールはカーボン地がプリントされていないMコレのモノではなく、タミヤキットのデカールを使用した。
短くした加藤のタンクをロッシのロングタンクと比較。横からの資料しか見つからなかったので、これで形状が正解なのかは不明・・・

シートカウルの形状も比較。かなり違う。

・・・とここまで作業を進めてたら、なんとスタジオ27から「'02 RC211V FORTUNA仕様トランスキット」がリリースされると発表された。
ま、待てば良かった・・・・・?(涙)

クリヤー吹き&研ぎ出し後、カウル裏側をフラットブラックで塗装。

Fブレーキディスクの塗装方法を変えてみた。今まで筆で塗り分けていたのだが、今回はサークルカッターでマスキングテープを円形に切り出し、ブラシ塗装出来るようにした。
マスキングの手間がちょっとかかるが、今までの方法よりは楽かな?

RC211VのキットではFブレーキディスクパーツが二分割された。
塗り分けがしやすくなった。嬉しい配慮だ。

マフラー、エキパイ部の塗装。
カウルを装着しても見える箇所は、合わせ目や成型ダボなどを綺麗に整える。カウル装着後見えない部分は思いっきり手抜きだが・・・(笑)

作り直したレーシングスタンドにカーボンデカールを貼る。
貼り易いと評判(?)のMコレ製「カーボンデカール」を使用してみた。

カーボンデカール乾燥後上からクリヤーを吹いて、各パーツを組み上げる。
無改造のスタンドとの比較(右写真)
手間はかかるが、改造した方が見栄えはリアルになる。

冷却クーラント用のゴムホース周りにホースバンドに見立ててメタルックを貼る。

細かいパーツにもカーボン風塗装を施す。

エンジンの組み立て。しかしホントにコンパクトですな〜。990cc5気筒エンジンとは思えない小ささ。 インジェクターなども再現されており、パイピング等を細かく追加してやりたくなる。私はカウルを外さないので、説明書通りの素組だが・・・

メインフレーム、スイングアーム等を組み上げる。


フロント周りを借り組みしてみた。
やっとバイクの形になった。この瞬間が嬉しい。

RC211Vの特徴でもあるユニットプロリンクRサスが見事に再現されているリヤ周り。
このキットではリヤブレーキキャリパーを後ハメ方式にするなど、組み易さが更に向上している。

エキパイやラジエターなども取り付けた。

フロント周辺のパイピング。特に説明書以上の配線は追加していない。

そして最後のカウル取り付け。各パーツがピッタリストレス無くハメ込める。そのハメ合い精度の高さに改めて驚かされた。タミヤの技術は素晴らしい!
この小さな部品たちがストレス無くピッタリと組み上がるというのは、当たり前のようで実は大変なことだと思う。

そんなこんなで完成!

タミヤさん、今後もMOTO-GPマシーンをどんどんリリースしてください!
出来れば過去のWGP名車達も・・・・


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